半導体工場の省エネに貢献する
環境デジタルツインシステム

某半導体製造工場クリーンルームの一部空調エリアを対象とした環境シミュレーションの動画結果です。時系列で表示しており、カラーで空間温度を表現し、高温になるほど赤色となっています。ここでは、1.5m高さの水平面と放熱が時間変化する縦型炉の垂直面を表現しています。装置群は半透明で表示し、縦型炉のみグレー表示しています。
縦型炉は7台並んでおり、各々の製造工程はスケジュール管理されており、工程によって放熱量が変化します。この条件を装置放熱モニタリングシステムから得ることで、環境シミュレーションの境界条件としています。
天井裏には空調機からの冷気が供給されていますが、この空調機の冷気を制御する室内センサの温度が下がる傾向にあることから、冷気の温度は少しづつ上昇しています。これは、室内センサの値から空調機の吹出し温度を制御するロジックを組み込んだことで実現した環境シミュレーションです。
環境デジタルツインシステムを構築するためには、上記の空調制御を組込んだ環境シミュレーションに装置放熱モニタリングシステムから得られる発熱条件を加味して計算をおこないます。ここで、Physical空間に存在する装置放熱モニタリングシステムとCyber空間に存在する環境シミュレーションを融合することで、デジタルツインが完成します。
将来的には、環境デジタルツインシステムが常に稼働している状況で、Physical空間である半導体用クリーンルームと融合することで、従来にない最適空調制御や省エネ運転も可能です。
更に環境デジタルツインシステムの出力結果をAIに取り込むことで、超省エネも実現できると思われます。
