問 世の中で推奨される断熱だけが省エネの対策ですか?
建物の省エネ対策として、断熱を検討することが一般的です。国、業界、学会等も断熱による省エネを推奨し、多くの種類の補助金もあります。しかし、断熱対策の初期コストは甚大であり、建物所有者の立場に立てば、大きな負担であることには変わりありません。断熱層の有無による夏期、冬期の建物内への熱の侵入や建物外への熱の放出イメージをしめします。

そもそも断熱とは、建物内への熱の侵入や建物外への熱の放出を抑止するもので、この抑止性能を高めれば高める程、初期費用は増えます。究極の断熱は真空層を作ることですが、建物全体を真空で覆うことは現実的ではありません。そうすると断熱と言いながら、断熱性能の低い部材を採用することとなります。また、窓、屋根等、断熱の難しい場所もあります。つまり、完全に断熱することは不可能であり、建物内への熱の侵入や建物外への熱の放出をある程度許容することとなります。
答 断熱化が省エネを検討する上で最も有効です。しかし、 完全に断熱することは不可能であり、建物内への熱の侵入や建物外への熱の放出をある程度許容することで、断熱以外の省エネ手法を検討することも必要となります。